揺れる電車の中で気づくことはたくさんあって、私に日々の刺激をくれる材料だ。
一駅区間で仕事場の最寄りに到着する私は、スマホを操作せずに人間観察することが好き。
たったの一駅区間だけども。
それでも気付かされることが多いと感じる。
今日は日曜日。
遅番勤務の私は、今日も電車で通勤する。
いつもの2号車に乗り込んで、座らずに出入り口付近で立っていた。
すると、ふと視界に入った女性が気になった。
20代前半の背が高い彼女は、アディダスの白トップスを着てヴィヴィアンのシルバーネックレスを身につけていた。
これからデートだろうか、メイクもバッチリきまっている。
お腹も出して、いかにも「イケイケです」ってのが印象的だった。
「私もこんな腹だしファッションに憧れてディーゼルのトップスを買ってたな」なんて思いながら、彼女の体型と今の自分を見比べる。
・・・あれ?こんなに私ってぽちゃってた?
服の下に隠れているお腹の肉は確実に増えていたことは、朝の着替えで確認済み。
30歳になった自分の体は痩せていた28歳の時より5キロは増えていた。
「痩せよ」
そうやって心に誓った瞬間だった。
もう一度ディーセルの腹出しトップスを着こなしたい。
服に負けない女になりたいと感じた。
考えていると、最寄り駅に到着。
空いた扉から彼女も私も電車から降りていく。
人混みに紛れてしまった彼女を探すことはできずに、そのままホーム階段を登っていた。
スマホを出して写真フォルダを眺めてみる。
そこには28歳の時に腹出しトップスを着こなしていた私の写真。
「もう一度この体型になろう」
過去の自分を目標に、ダイエット生活の幕開けとなった。
彼女のおかげで、目を逸らしていた体型と向き合うことができそうだ。
彼女のデートが楽しいものになることを祈りつつ、私は改札口を早足に通り抜けていく。
いつもは駅から職場への道のりはゆっくり進むけど・・・
今日は足早に進みたい気分だからね。
いってきます。
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